慶應義塾大学 - 電気自動車研究室
電気自動車
実例:Eliica - 集積台車構造
Eliicaには集積台車技術が使われています。
この開発にはまず、フレーム部分が必要です。Eliicaではアルミニウムの押し出し成型技術の方法で、幅約20cm、高さ約17cmの断面をもつ中空の梁構造を作りました。押し出し成型は1つの型をつくり、これにアルミの塊を強く押しつけると、型と同じの形状の断面を持ち、長さが約50mの構造体を作ることができます。これを車体の床の長さ分だけ切り取り、4本を溶接します。これで床構造が出来上がりです。
この構造体にサスペンションアームを取り付け、その先にモーターと機械式のブレーキを8つ組み込むと、集積台車が構成できます。
集積台車の上にのせるキャビンの形状は自由に作ることができます。
しかし、高速道路を走るときのエネルギーは大半が空気抵抗になるため、できるだけ小さな空気抵抗の車体とすることが重要です。これまでの経験から、いわゆる流線型にすると、空気抵抗が小さくなることが分かっています。このことを頭にいれ沢山のスケッチを描きます。さらに、それらから何枚かを選択し、細密画(レンダリング)に仕上げます。
レンダリングをデジタルデータに変換すると
そのデータをもとに三次元の形状の模型を形成することができます。
Eliicaでは5分の1のサイズの模型を作りました。
材料は工業用粘土、すなわちクレイです。この模型を風調実験にかけながら修正を行います。
百か所以上の修正を加え、形が整ったところで、しかも空気抵抗の値が十分小さくなったところで実験を終了して、それに彩色を施すと完成車に近いイメージの模型が完成します。
出来あがったモデルをもとに車体構造の設計を行い、部品を作って組み立てます。大量生産の時には、プレス成型をしたモノコックボディーを用いますが、Eliicaはわずか2台の開発をしたのみですので、鉄のパイプでボディーの枠組みを作りました。
そして、この枠組みの上に模型を5倍に拡大したボディーをガラス繊維強化プラスチック(FRP)で作り組み上げると車体として完成です。
インテリアは通常のセダンと同様のレイアウトです。1つ大きく違うのは後部座席が上方に跳ね上がるガルウィングの構造をしていることです。これにより後部座席への乗り降りが美しく見えるようにしたいというのがその発想です。
運転席はとてもシンプルです。オートマチック車同様に、アクセルペダルとブレーキペダルがあり、ステアリングホイールがついています。ステアリングの右側に「N」 「D」 「R」と書いたボタンがあり、ブレーキを踏みながら「D」を押すと前に進み「R」を押すと後退します。
Eliica